【研修から考える「待つ」ということ~ 心理士の読書散歩 No.13(寄り道)】

待っていられないくらい困っている人に、
すぐ手を差し伸べないのは、
不親切なことだと思っていたけれど。
違う場合もあるらしい。

孤独が辛い。
不安で耐えられない。
怒りが収まらない。
だから、誰かに聞いてほしい。この気持ちを。

そんな時に、すぐに駆け付けて、
寄り添って話を聞くことこそが、
「親切」で「誠実」な態度だと思っていたかもしれない。

でも、そうではない場合もある。
この辛さと不安と怒りがあっても、
一人で「待つ」ことの意味。

「待つ」という体験のなかで、少しずつ養われるのは、
自分で自分を抱きしめる力。
今ここになくても、先にあるものを信じる力。
状況が変わる可能性を知る力。

困っている時こそ、「待つ」ことに多くの滋養があるようです。

画像ネタ元『「待つ」ということ/鷲田清一著』

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