【見えるから信じる? ~ 心理士の読書散歩 No.10】
いま、見えているものは現実ですか?それとも想像ですか?
見えていると思っているだけの可能性は?
見えるものだけが、現実なのでしょうか?
画家マグリットの『これは林檎ではない』という作品があります。
キャンパスの真ん中に、ドーンと一つの赤い林檎。
その上に流麗な文字で「これは林檎ではない」と。
厳密に言えば、これは「林檎の絵」であって、
確かに林檎そのものではありません。
もう一歩、穿ってみれば「林檎の絵」であるかどうかも、
私が「そう思っているだけ」なのかもしれません。
形や色という見えたものから、自分の中でデータ検索をしたら、
「林檎である可能性が高い」という結果が出た。
この検索は既存データの中でしかできません。
データにはないものを見たときに、それを何だと思うのか。
これまで「林檎」だと信じていたものが、ちがう何かである可能性。
決めつけない、とらわれない目を、持っていたいです。
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画像ネタ元『彼女がエスパーだったころ/宮内悠介著』